「明治の写楽」とも呼ばれた明治期の浮世絵師・豊原国周(1835-1900)。江戸の名産品として発展した浮世絵は、明治期においても描き続けられ、大衆メディアの役割を担いました。そうしたなか、国周は、上半身をクローズアップした迫力ある歌舞伎俳優の大首絵など、役者絵を中心に活躍しました。
「市川団十郎演芸百番」は、国周による晩年の錦絵シリーズで、九代目・市川団十郎(1838-1903)の当たり役を描いたものです。国周は、団十郎の舞台姿を数多く手がけましたが、大判サイズでシリーズ化されたものは本作のみです。
芸術館インターン生が企画した本展は、衣装、役柄、構図、歴史(歌舞伎の時代物のうち武士)という「4つのみかた」から選んだ32点を中心にご紹介します。
企画 遠藤史都、末満優名、永松紫杏、三好思実(芸術館インターン)
*本年度より、芸術館では、将来文化芸術活動を支える職を志望し、芸術館の活動と学芸業務に関心を持つ学生を対象にインターンシップを実施しています。