1997年、京都会議(COP3、気候変動枠組み条約第三回締約国会議)では地球温暖化防止のため、二酸化炭素・メタンなどの温室効果ガスの排出量削減目標が設定されました。
本展で最初に紹介するのは、イギリスを代表するデザイナーであるアラン・フレッチャー(Alan Fletcher、1931-2006)によって制作されたものです。
緑の円の中をつぶさに観察すると、リングノートのページや色見本帳の断片などが地球を模した円の中に所狭しと敷き詰められています。廃材を用いたポスターはそれ自体がごみ問題に対する一つの問題提起と言えますし、なにより、ポスター右下に緑のペンで直筆で書かれた「Think green.」の一言はフレッチャーのメッセージをわかりやすく示しています。
そして、26年経った現在はどうでしょうか。
答えを出す前に、フレッチャーと同様、26年前の京都会議にちなんで制作されたポスターたちを見ていきましょう。名だたる芸術家・デザイナーたちによる作品は鮮烈な印象を与えてくれます。
観る私たちにとって「優しい」作品ばかりでなく、少し辛辣な作品が続くかもしれませんが、今回の展覧会が環境問題を考えるきっかけになれば幸いです。
なお、本展の展示企画は、京都芸術大学通信教育部博物館学芸員課程(科目等履修)に所属する学生が博物館実習の一環として手掛けました。
※車椅子でご来場のお客様
芸術館へは、人間館ギャルリオーブ奥のエレベーターをご利用ください(ミロのヴィーナスが目印です)。人間館までのエレベーターでのアクセスについては、下記リンク先の「瓜生山エレベーター地図」をご覧ください。